コラム

プロフィール

金森慎悟

  • M&F株式会社 代表
  • 理学療法士
  • 日本大学陸上競技部メディカルトレーナー
  • スプリントチームストレングストレーナー
  • KONAMI SPORTCLUB パーソナルトレーナ

陸上競技 円盤投(08’09’シーズン大学ランキング1位)
日本大学文理学部体育学科卒業
臨床福祉専門学校理学療法学科卒業
フィットネスクラブ、整骨院、病院、大学チームでのトレーニング指導、リハビリテーションを行う。


外反母趾と運動(2021/03/09)

足のトラブルで1番に挙げられるのが何と言っても"外反母趾"でしょう。

外見上、足の母趾が付け根から内側に折れ曲がったように変形してきます。

特にハイヒールなど足趾に負担をかけやすい靴を履く機会の多い女性に多く見られます。女性の場合、もともと筋力が少ないことに加え靭帯などによる関節の固定性が低く、足が柔らかい傾向があるため変形を助長します。

その他、膝や股関節の機能的アンバランスからくる姿勢や歩行の問題、遺伝的要因も可能性として示されており、様々な原因が外反母趾を引き起こします。

外反母趾は、40°以上の変形で重度外反母趾と診断され、医学的に運動療法による効果は期待できず、その改善方法は外科的な手術しかなくなります。

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外反母趾は変形患部に直接的な痛みを生じないことが多く、放置されがちです。しかし患部こそ痛まないものの、外反母趾が原因で膝や腰の不調や痛みを抱えている方が大半です。そして、その原因が外反母趾にある事に気付いていません。

これらを踏まえ、外反母趾は『予防』が大切で、すでに軽度の外反母趾がある方は、速やかに症状進行防止の運動療法を開始するべきです。

既に中等度以上の外反母趾を持っている方は、靴やインソールによるサポート、股関節や体幹機能の改善、アンバランスの修正は欠かせません。

外反母趾は、"開張足"という状態から始まる事が多いと考えられます。

開張足とは、主に内在筋という足趾の間にある細かい筋肉が低下し、横アーチが潰れていき足趾の付け根が横に広がっていく状態を言います。

外反母趾は母趾先端が内側に曲がり、つま先側が狭まっていくのではなく、むしろ開張足によって付け根部分が広がっていくことから始まるのです。

では、外反母趾予防の運動は何が効果的なのでしょうか。

今回おすすめの運動は"ショートフットエクササイズ"です。

下記図のように足裏の中心にドームをつくるように摘み上げます。足の内在筋を強化し、外反母趾の原因となる開張足を改善します。

ポイントは足趾の第1・2関節を曲げるのではなく、付け根を曲げることです。

まずは椅子などに座って行い、慣れてきたら足部に体重をかけていきます。更に筋肉が強化されてきたら、立って行います。

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足や身体の機能低下やアンバランスが外反母趾の原因となることもあります。まずは重症化する前に専門家のチェックとアドバイスを受けることをおすすめします!
まずは"ショートフットエクササイズ"試してみましょう


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