コラム

プロフィール
黒田恵美子
- 健康運動指導士
- 東海大学体育学部体育学科卒
健康運動指導士、心理相談員、太極拳師範の資格を持ち、ひざ痛・腰痛予防などの介護予防、脳卒中リハなど運動弱者を支援するエクササイズから、女性を若々しく、美しくするためのブラッシュアップ講座まで多岐に渡る。
足の健康を守る歩き方(2021/06/24)
足の健康には、歩き方が大きく関わっています。一日に何千と繰り返し行っている動作なので、くせがあると筋肉や関節を痛めたりもしてしまいます。そこで、普段の立ち姿勢や歩き方を見直してみましょう。
基本は立ち方です。
背骨がS字カーブを描いて左右のゆがみがなく、脚にねじれや歪みがない姿勢がよいのですが、そうはいっても長年のくせをすべて取ることはできません。そこで、現実的に、今の体でベストな姿勢をとるようにしましょう。
簡単に行える姿勢チェックの方法と直し方をご紹介します。
顔を下に向けて、下を見てみましょう。胸、お腹、足の甲、がどのように見えますか。
この3カ所が3つの山のように見えていたらだいたい良しとします。
よくない姿勢の代表的な2つのパターンをご紹介します。
胸だけがたくさん見えていたら胸郭が前に出ている「胸張りタイプ」です。この姿勢は良いと言われますが、腰の反りすぎを起こし、腰痛や肩こりを引き起こしたり、重心が前に乗りにくいために早く歩けなくなるといったことも起こります。
そこで、胸の真ん中に指を当ててホッと息を吐き少し背中を丸める意識をして、ちょうど良い姿勢に修正できます。すると、足指が下りるのも感じられるでしょう。
次に、下腹がたくさん見えて足の甲が見えにくくなっていたら骨盤が前に出ている「下腹ポッコリタイプ」です。
これは、お尻の筋肉が弱り、すり足になってしまい、足指が着かないので巻き爪などになりやすいです。
脚の付け根に手を当ててお尻を少し後ろに引き、脚が見えたら止めて修正します。足指がちゃんと床に下りるのがわかり、重心が少し前に寄ってきます。
どちらのタイプも最後にお尻(骨盤)をキュッと締めて出来上がりです。時々、立ち止まった時などにチェックして直しましょう。
次に、歩く時のポイントをご紹介します。
歩くという動作は、前に出した足に体重が乗り、左右交互に足を出しながら前に進んでいく移動手段です。いかにスムーズに重心が前に移動していくかを考えれば良い歩き方になります。
そのために、歩く時は下を向かないようにします。顔が下がるだけでバランスを取ろうとして体が後ろに倒れてしまい、結果として重心が前にかからないので、足裏のローリングが上手くいかず、歩くのが遅くなってしまうからです。
さらに、腰に負担がかかるので腰痛の元にもなってしまいます。
顔は常に正面に向けておきましょう。脚は、膝を伸ばしてかかとから着地し、素早くその足の上に上半身が乗るとよいのですが、これを助けてくれるのは後ろ足。
地面を押して体が前に進むことを助けてくれます。しかし、これらのことはバラバラに意識してもうまくいきません。
生活の中で歩いている時にでも簡単に意識できてすぐにキレイに歩けるコツをご紹介しましょう。
それは、腕を振ることです。「体に対して平行に、やや後ろに」振リます。
腕を体に対して平行に振るようにすると左右のブレが起こりにくくなり、後ろに振ることで前に体が進みます。さらに、膝が伸びやすくなり、上半身の姿勢が良くなり、歩幅が広がって早く歩けるようになります。
外出時はほとんどカバンを持っているので、カバンを持っていない手を振り、5分くらい経ったら持ち替えるようにすれば、推進力が得られ、左右の歪みが起こりにくくなります。
両手に荷物を持っているとき、重い鞄を片方に持っているときには、おへその下をきゅっと締めます。健康のためには1日に8000歩から1万歩あたりが良い歩数とされています。
しかし、急に歩数を増やすと疲れが残ったり、関節痛が起こったりすることもあるので、歩数を増やす時は1日平均1000歩(10分くらい)だけにしてください。こうして通勤や買い物をウォーキングタイムに変えてしまいましょう。
キレイに見えて、続けるとキレイになっていく歩き方、普段歩きの中で意識してみてください。体を痛めず、健康で美しく歩きましょう。
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