コラム

プロフィール

奥田 昌子

  • 一般社団法人フットヘルパー協会 理事長

「介護現場でのフットケア」の実際(2023/05/22)

私の運営するフットヘルパー協会にて大場マッキー広美が介護予防のフットケアを提唱して18年、思い返せばその頃介護現場でフットケアといえば「なにそれ?」もしくは「足つぼ?」と多くの方から言われていました。最近はどうでしょうか。

メディアでも足の健康が取り上げられるようなり、当協会でもフットケアを学ぶ介護士さん、看護師さんがじわじわ増加しており、少しは広がりを見せている?これが私の体感する世の中のフットケアの傾向ですが、介護現場でのフットケアの現状はどうなってきているのでしょうか?

私が関わる高齢者施設ではスタッフが利用者さんの足を日常的に見て、私が訪問ケアをする日に合わせて計画を組んでくれています。また、別のディサービスでは入浴日に関係なく、すべての利用者さん足浴を毎回利用日に必ず行っているところもあります。

このように私自身の関りのある介護施設ではフットケアが浸透していることを体感できます。しかし、このような施設さんはそもそもフットケアの意識が高いから私にお声掛けがあったのでは?と推測できるのです。

もちろん関りを持たせていただく過程で徐々にフットケアへの意識が変化し、スタッフさんが足を見てくださるようになるところもありますが。

私自身が関わることのできる施設の数はたかが知れています。いかにして多くのケアスタッフがフットケアに興味を持ち必要性を理解し、それを自身の仕事ととらえることができるか。まだまだフットケアを提供できる人材は介護現場に不足しています。団体や協会にとらわれず、多方面から現場で働くケアスタッフに働きかけていくことが重要だと考えています。

また、近頃はアクティブシニアと呼ばれる健康意識が高い傾向にある活発な高齢者が増えています。このアクティブな世代に歩き続けてもらうためにも施設に限らず、健康教室や薬局フットケアなど、どんどん外に出て活動の場を広めていく人材の必要性を感じています。

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