コラム

プロフィール

原 尚子

  • JR東京総合病院
    リンパ外科・再建外科医長

足にむくみがあったら(2022/02/15)

『あしにむくみがあったら』

あしにむくみがあるとき、一番大切なのは「なぜむくんでいるのか」という原因を突き止めることです。

昔からなんとなくむくみやすかった、左右のあしに同じくらいのむくみがある、赤みや痛みはない、というむくみなら、そんなに心配ありません。でも、


・急にむくみがでてきた
・あしだけではなく腕や顔にもむくみがある
・片方のあしだけむくんでいる
・息切れがある
・痛み、赤み、傷がある

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※赤みを伴うむくみ

などの症状があるときは、医療機関(循環器内科か整形外科)を受診して、原因を調べてもらうことをお勧めします。

心臓、腎臓、肝臓の病気、エコノミークラス症候群、炎症や感染症、血流が悪くなっている、などの異変が起こっている可能性があるからです。

むくみの原因

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医療機関での検査で異常がみられなかった場合、加齢、運動不足、肥満などもむくみの原因として考えられます。

以前に子宮癌や卵巣癌、前立腺癌などの治療を受けたことがある場合は、リンパ浮腫の可能性もあります。

加齢や運動不足が原因の場合は、介護保険を使ったリハビリで運動を教えてもらったり、外を散歩する時間を長くしたりすると、むくみがとれてきます。

運動には、ロコモティブ・シンドロームの予防効果があるだけでなく、がんやうつ病の予防効果もあることがわかっています。

がん治療後の疲れやすさや気分の落ち込みにも、運動は効果的です。ひとりで運動をはじめるのがおっくうな場合は、家族やお友達と一緒に始めてみるといいですね。

また、標準よりも体重が重い方は、食事療法と運動療法をして体重を減らすと、むくみも軽くなります。

自分で食事療法をするのはなかなか大変なので、スマートフォンアプリの「あすけんダイエット」がおすすめです。

スマホアプリ「あすけんダイエット」

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今日食べたものを入力すると、自動でカロリーや糖質、タンパク質、ミネラルなどの摂取量を計算してくれて、1日ごとにアドバイスをくれます。

自分の食べ方の癖や、気付いていなかった問題点がわかり、ダイエットのよいパートナーになります。


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