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プロフィール

吉田 圭

  • 株式会社シューピッド 代表取締役

靴とインソールを中心に取り扱うフットウェア部と義肢装具全般を取り扱う義肢装具部(所属義肢装具士5名)からなる。
足元に関しては、簡易的なインソールから靴型装具まで幅広い取り扱い。


靴の清掃・お手入れの方法(2020/06/25)

靴の清掃・お手入れの方法

全ての靴がこの方法に当てはまるわけではなく、もちろん 1 足ずつ材質も違うため取り扱いは変わります。

試す時は目立ちにくい内側などで少しずつ試して問題が生じないか確認してから、少しずつ失敗しないように取り組んで下さい。

1. 紐を取り外す

靴の材質に関わらず、 紐がある靴の場合、手間は掛かりますが一度紐を全て取り外してからお手入れに取り組む方が仕上がりは美しくなります。

紐が汚れている場合、紐の材質にもよりますが、基本はぬるま湯で手洗いして形を整えてぶら下げて干します。

2. ほこりをはらう

個人で所有していることは少ないかと思われますが、エアーガンで全体のほこりや砂泥を飛ばします。 家庭ではパソコンや電子機器などのほこり飛ばしに使うエアダスターなどでも代用可能です。

エアダスターの用意がない場合は、柔らかい布で少し触れる程度にさっとほこりを除去します。

3. ブラッシング

ほこりを飛ばした後は、布製の場合は汚れの著しいところには使い古した歯ブラシなどで力を入れずにやさしくブラッシング。

皮革製の場合はきちんと絞った柔らかめの布で、アッパー(靴の表面)の目立ちにくいところから汚れをそっと水拭きします。

※スウェード や ベロア や 柔らかな高級皮革 などのデリケートな繊維のものは水分を含ませてクリーニングすることは 難しいため、毛並みを乱さないようにして終了です。

それ以上の汚れの場合は、靴のリフォームを受けてくれるクリーニング店や 靴修理店に依頼をする方が無難です。

布製の場合、上記の工程では間に合わない汚れの状態の場合はぬるま湯に漬けおき、汚れが浮いたことを確認後、力を入れずに ブラッシングします。アッパーの指先などにスウェードなどが使われているデザインのものは毛が潰れないように注意します。

4. 陰干し

手で振って水分を飛ばし、タオルなどでさらに水分を吸い取った後に形を整えて陰干しします。 この際にシューキーパーなどがあれば弱めに突っ張って形を整えることが理想です。

5. 雨に濡れたら洗う!?

天然皮革・合成皮革の場合、汚れが取れずどうしてもの場合に限り、水洗いは好ましくはなく大胆な方法ではありますが、外出先でゲリラ豪雨にあってしまったと考え、思い切って布製と同じように水洗いしてしまうことも方法の1つです。

しかし皮革の油分が抜けてしまうことや、乾燥する際に材質が若干硬くなってしまうことを想定しておく必要があります。

含ませる水分は少しでも減らしたいので、布製に比べて手早く清掃作業を終えることをおすすめします。

6. オイルをぬる

布製同様に陰干しののちにシューキーパーで弱めに突っ張り、乾燥したあとは皮革の色に関わらず市販の無色の靴クリームを薄くまんべんなく塗り込み、馴染んだ感じになってから柔らかい布で乾拭きします。

艶が思うように出ない場合は天然皮革であればミンクオイル、合成皮革であればホームセンターなどで販売している シリコンスプレーを少しだけ布につけてから塗ると良いでしょう。

くれぐれもどの工程に於いても力を入れないことにご注意ください。乾燥の際にドライヤーやストーブ、天日干しなど 強く温度変化をさせる方法は避けてください。

7. さらにきれいにするポイント

◎アッパーとソールの際を綿棒でなぞります。際の汚れが無くなることで見栄えが変わります。 ◎アウトソール(靴底)の脇面スポンジの汚れなどは、普通の消しゴムでなるべく同一方向で消すと見栄えが変わります。

8. 雨に濡れたらどうするの?

梅雨時期などの対策で防水撥水スプレーなどを使用する際には、新品の時の使用が最も好ましいですが、使用後に行いたい場合は一度お手入れをしてから行うようにしてください。

また、防水撥水剤にはアルコールが強めに含まれているものもあり靴を傷めてしまう場合もありますので、水に弱いと思われる 材質は特に慎重にご使用ください。

雨で濡れたままの靴を風通しの悪い場所、またはすぐに下駄箱や靴箱にしまうと雑菌やカビの繁殖を起こしやすくなるため 水分が抜けて乾ききった状態になるまで気長に乾燥させることをおすすめします。

雨で濡れたあとに関わらず、帰宅後脱いだ度にカビ防止剤などを靴の中に入れておくと、さらに清潔で良い状態の維持を保つことが出来ます。靴の劣化を少しでも防ぐことと、衛生面も気を付けられて理想的です。

梅雨の時期靴をお手入れして、型崩れさせず、大切に履きましょう!


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