コラム

プロフィール

山口 久美子

  • 足育研究会協力委員
  • (社)足と靴の健康協議会認定上級シューフィッター

夏のサンダルの選び方(2023/05/31)

ゴールデンウィークを過ぎると、靴屋さんの店頭には瑞々しくてカラフルなサンダルが並ぶようになります。

開放的でリラックスできるサンダルは夏のスタイリングのマストアイテムですが、つま先やかかとのサイズ感があやふやになるため、選びかたが雑になりがちです。

ですが!丁寧に選んだサンダルを履くと、歩き方も美しくなり、おしゃれがもっと楽しくなりますよ!

今回は足にやさしいサンダルの選び方をお伝えします。足にトラブルのある方もない方も参考にしていただけると幸いです。

【サンダルを選ぶ時気を付けたいポイント】

1.かかとのサイズ感
2.つま先のサイズ感
3.ストラップ(調整できる留め具)はあった方がいい?
4.母趾の付け根の痛み対策(外反母趾と思われる足)
5.ヒールの高さ
6.人気の厚底サンダルの注意点
7.スポーツサンダルも選択肢に
8.靴擦れ・足の裏の疲れ対策

1.かかとのサイズ感

サンダルを試着して上からかかとを確認してください。

靴の中底(足が乗る部分、ブランドのロゴマークなどが記されたシートの部分)が余って見えてしまっていたら大きいと判断できます。
次に鏡で横からの姿を確認します。かかとは中底から少しだけ出るくらい、が目安です。

colum20235031_01.png重心がしっかり乗り、歩きやすくなります。
また、かかとが中底からはみ出しすぎていると、かかとと中底の淵との間に摩擦がおき、角質ができる原因となります。

2.つま先のサイズ感

つま先がサンダル本体から飛び出していませんか?つま先はきちんと収まっていないとケガに繋がりますし、脚を振り出せないちょこちょことした小股歩きになり、見た目にも美しくありません。つま先には5~6mm程の余裕が必要です。

colum20235031_02.png↑つま先のゆとりは5㎜ほど

3.ストラップ(調整できる留め具)はあった方がいい?

基本的に足を覆う面積が多ければ多いほど、足とサンダルはフィットしやすいといえます。長時間歩こうとする時や足にトラブルのある方の場合はストラップで足とサンダルをできるだけ固定できるものがおすすめです。

足首や甲、かかと等ストラップの位置はさまざまですが、それぞれに役目があります。

足首ストラップ

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...足が前滑りするのを抑えます。かかとへの衝撃を和らげます。

甲ストラップ

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...足が前滑りするのを抑え、足とサンダルの中底の間に隙間ができるのを防ぎます。

インソールがついたサンダルを履く場合、甲ストラップがフィットすることで効果を得ることができます。立ち上がった時、甲とストラップとの間に隙間がある場合は、再度ストラップを締めなおしましょう。

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...足とサンダルが歩行時に離れ、大きな衝撃で戻るという動きを抑制します 

4.母趾の付け根の痛み対策(外反母趾と思われる足)

母趾の付け根が張り出している場合、痛い部分にサンダルの甲部の淵があるものは避けましょう。痛い部分をすべて覆う甲部デザインがおすすめです。

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※痛いところは包み込むデザインを

素材は足の形状になじみやすい革が良いでしょう。また、このタイプの方は、サンダルを履いた時、足のかかとが内側へ、サンダルのかかと部は外側へ逃げてマッチしないことがあります。

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このような方はカウンター(靴のかかとにあたる部分)のあるサンダルがおすすめです。

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5.ヒールの高さ

ヒールの高さは2~3.5cm(傾斜)ほどが安定します。もう少し高いものを楽しみたいという場合は、地面に接地する面積の多いウエッジヒールを選ぶといいと思いますが、返りの良いものにしてください。

後述しますが、硬すぎて足が踏み返す位置で曲がらないウエッジヒールを選ぶと甲に靴擦れができたり、正常な歩行がしづらくなります。

6.人気の厚底サンダルの注意点

ソールに厚みのあるサンダルが人気ですが、選び方には少し注意が必要です。

ソールに厚みのあるサンダルは厚みがないものに比べて踏み返しづらいという欠点があります。つま先からカウンターまで同じ厚みのものはできるだけ踏み返しの部分で曲がるものを選んでください。

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踏み返せないほど硬く厚いソールは正常な歩行の妨げになり、歩容が美しくないばかりか、疲労を生じ、靴擦れ等ケガの原因になります。

7.スポーツサンダルも選択肢に

スポーツブランドやアウトドアブランドから発売される運動性に特化し、軽量なスポーツサンダルをご存じですか?

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耐久性もよく、足裏にフィットするものが多いので長時間の使用時におすすめです。デザインも様々ですので、お気に入りのソックスと合わせたコーディネイトも楽しめます。

やはり、足首や甲にストラップがあるものを選びましょう。スポーツショップやアウトドアショップ、セレクトショップなどで探すことができます。

8.靴擦れ、足の裏の疲れ対策

おろしたてのサンダルを履くとき、なんとなく靴擦れになりそうと感じたら、ソックスと合わせて使用したり、あらかじめ擦れそうだと感じる部分に目立たないばんそうこうを貼っておきましょう。

最近では様々な種類の靴擦れ対策ばんそうこうが販売されています。また、ばんそうこうではなくワセリンを塗っておいても靴擦れになりにくくなります。

足の裏が疲れやすくなる原因としては、足の裏とサンダルの中底との間に隙間ができ、フィットしていないということが考えられます。

サンダルの甲ベルトでしっかり押さえても、足の裏には凹凸がありますし、平らで滑りやすい中底としっかりフィットさせるのは大変です。

疲れが強い方はアーチサポートのあるインソールがついているサンダルを選びましょう。

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快適に歩くことができるはずです。

いかがでしたか?

サンダルは靴に比べて足を覆う面積が少ない分、負荷がかかり疲れやすくなります。それを前提にして、出来るだけ無理なく楽しめるサンダルを選んで楽しんでくださいね。


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