コラム

プロフィール

遠藤 剛

  • 株式会社シューピッド 義肢装具士

株式会社シューピッドは、靴とインソールを中心に取り扱うフットウェア部と義肢装具全般を取り扱う義肢装具部(所属義肢装具士5名)からなる。

足元に関しては、簡易的なインソールから靴型装具まで幅広い取り扱い。

遠藤はそこで、義肢装具士として日々、患者様のケアを行っている。


足は伸びる?(2021/10/20)

皆さん何気なく靴のサイズを選び購入されていますが、歩行中足のサイズが変わることをご存じでしょうか?

足のサイズは体重をかけていないとき、体重をかけているとき、それぞれ多い人で15mmくらい足が伸びます。また、それ以外にも、歩行中の足の踏み返し(蹴り出しの直前)にも、足のサイズは変わります。

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図のように足を平らについている状態と、足の指をそらした状態では、足底の付根の部分の皮膚が伸び、この時も多い人で10mmくらい伸びています。

もちろん、靴はこのことを考えられて作られています。この伸び分の寸法を捨て寸と言います。靴の製作の土台であるラスト(木型)と呼ばれるものがありますが、このラストを設計する時にこの捨て寸も考慮し設計されています。

もし捨て寸がなければ踏み返しの時に指の先端が靴の中で当たり圧迫を受け、巻き爪、外反母趾、内反小趾などの足のトラブルが起き易くなります。

しかし、自分の足のサイズをしっかり知らない方が多いのも原因ですが、特に女性で、パンプスやヒールを多く履かれる方は、この捨て寸を考えずに靴を買われる方が多いように感じます。

なぜかというと、パンプスやヒールは足の甲がしっかりと覆われていないものが多いため、靴の中で足が前方へ滑ってしまったり、踏み返し時に靴が脱げやすくなったりしてしまうため、足先まで詰まっている状態の靴を選びがちです。

そのため、スニーカーなどの靴を選ぶときに同じように足の先まで詰まったものを選んでしまうようです。

このように捨て寸を考えて靴選びをしないと、足のトラブルの原因となりますので、まずは自分の足のサイズをお店などでしっかり測ってもらい、把握することが大事です。

また、靴を購入する時は必ず試し履きを行い、紐を締めなるべく多く試し歩きをして、靴の中で足が当たってないことを確認してから購入することをお勧めします。


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