コラム

プロフィール

金森慎悟

  • M&F株式会社 代表
  • 理学療法士
  • 日本大学陸上競技部メディカルトレーナー
  • スプリントチームストレングストレーナー
  • KONAMI SPORTCLUB パーソナルトレーナ

陸上競技 円盤投(08’09’シーズン大学ランキング1位)
日本大学文理学部体育学科卒業
臨床福祉専門学校理学療法学科卒業
フィットネスクラブ、整骨院、病院、大学チームでのトレーニング指導、リハビリテーションを行う。


転倒を防ぎ健康寿命を延ばす大腿筋力の重要性

理学療法士として、日々皆様の運動指導に携わっていく中で様々な問題に直面しますが、特に高齢者の生活に関連する問題についてお話ししたいと思います。

皆さんもご周知のとおり、我が国の高齢化率は、諸外国の中でも群を抜いており、平成26年の時点で3300万人となり、全体の26%にものぼり、平成37年には、全人口の41%になると予想されています。 そんな超高齢化社会の中で、介護、認知症、引きこもりなど、高齢者を取り巻く様々な問題があります。
中でも、上記問題を引き起こすきっかけになるのが、『転倒』です。

運動不足、体力低下により転倒リスクが高い状態になると、バランス能力が低下し、
転倒→骨折→寝たきり→認知機能低下→要介護→引きこもり
などの問題に発展します。
外出が減り引きこもり状態になると、身体活動量の低下は更なる能力低下をきたし、転倒を繰り返すようになります。 『転倒』のリスクを高める要因は、注意力の低下なども挙げられますが、主な原因はバランス能力です。

バランスとは、一言で言えば単純ですが、実は複雑な要素です。
バランスを決定する要素は多くありますが、以下のものが挙げられます。

①筋力
足を振り出し、重力に抗して自分の身体を支える下肢筋力
重心を安定させる体幹筋力など

②関節の可動域
つまずきなどを起こさない為の、足や足関節の可動性
重心の位置を適正に保つ股関節や脊柱の可動性

③感覚機能
関節の角度や筋肉の収縮度合いなど、自分の身体の位置や状態を感じ取る機能
足の裏の圧覚など

その他、平衡感覚を司る前庭機能や視覚などもバランス能力に寄与しています。
中でも、転倒に関連が深いと言われる③『筋力』について少しお話ししますと、特に大腿四頭筋(前もも)の筋力と転倒リスクには大きな関連があるとされています。
立つ、座るなどの動作や、階段昇降、歩行時にも使われるこの大腿四頭筋は、股関節を曲げる、膝を伸ばすといった作用を持っています。

この大腿四頭筋を日頃から強化しておく事で、転倒リスクを軽減させる事が出来ます。
また、これらの運動を行う事で、同時に②関節可動域や③感覚機能にも良い影響を与えます。

転倒リスクを軽減させる事で、骨折などを起こさず、寝た切り、要介護、引きこもりも防げる可能性が高くなります。

いくつかエクササイズをご紹介します。




■スクワット

エクササイズのポイントと注意点
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背筋は伸ばし、骨盤から前方に倒します。腰が反り過ぎないように気をつけましょう。
膝・股関節・足首をバランスよく曲げ、膝が外側、内側にブレないよう気をつけましょう。
ゆっくりと重心を下げるようにします。10回を1セットとし、2~3セット行いましょう。
変形性関節症などをお持ちの方は、関節に負担を掛けないよう、重心を下げ10秒キープする方法で5回行いましょう。




■フロントランジ
エクササイズのポイントと注意点
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1歩前に踏み込み、重心を前後の足の中間に降ろします。
お尻を引いたり、上体を前に傾けないように気をつけましょう。
膝が外側、内側にブレないよう気をつけましょう。
重心を下げるほど強度が上がりますので、少しずつ調整します。
10回を1セットとし、2?3セット行いましょう。



様々な強化エクササイズがありますが、あやまった方法で行うと効果が出ないだけでなく、筋肉や関節を痛める危険性もあります。
特に、変形性関節症などお持ちの方は、専門家の指導を受けて行う事をお勧めします。

健康寿命を延ばし、充実した生活を送るために、まずは下肢筋力の強化に取り組んでみてはいかがでしょうか。