コラム

プロフィール

金森慎悟

  • M&F株式会社 代表
  • 理学療法士
  • 日本大学陸上競技部メディカルトレーナー
  • スプリントチームストレングストレーナー
  • KONAMI SPORTCLUB パーソナルトレーナ

陸上競技 円盤投(08’09’シーズン大学ランキング1位)
日本大学文理学部体育学科卒業
臨床福祉専門学校理学療法学科卒業
フィットネスクラブ、整骨院、病院、大学チームでのトレーニング指導、リハビリテーションを行う。


姿勢と骨盤底筋の関係

骨盤底筋は、尿漏れ、腟脱など、高齢になってくると起こりがちな問題に深く関与しています。
外反母趾のある「なよなよ型」足、かかとに荷重のある「かかとガサガサ」足の方は特に要注意の骨盤底筋の弱りについて、その原因筋力と解決ストレッチについて理学療法士の金森さんが解説してくれています。


近年、『インナーマッスル』『コアトレーニング』『ドローイン』など、雑誌やテレビでも流行り言葉の様に耳にします。

これに関連して中年期以降の女性に多い悩みである『骨盤底筋』の筋力低下が注目されています。
『骨盤底筋』の役割、筋力低下によってどのような問題を引き起こすのか、どう改善すればよいか考えてみましょう。

男性と比べ、元々の筋力が弱い事に加え、出産などの影響で、骨盤底筋力低下が起こりやすい要因になっています。
この筋肉は、読んで字の通り、骨盤の底の部分を成す筋肉で、排便や排尿をコントロールしたり、複数の筋肉と連動して腹圧を高める効果があるのです。図.1

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身体の体幹(コア)において、上部体幹であれば胸椎、肩甲骨、鎖骨、胸骨、肋骨など、多くの骨構造体で安定が得られます。

しかし、下部体幹では、肋骨から骨盤までの間が、腰椎と言う背骨1本で支えられています。
上体を支え、多くの臓器を要する部分を安定させるには、腰椎だけでは足りません。
そこで、腹部の上部から横隔膜(これも筋肉組織)、前方から腹横筋、後方から多裂筋、そして下方から骨盤底筋が同時に作用し、腹圧を高め、過剰な働きを求められる腰椎を安定させる様に働きます。
特に出産を経た女性では、腹横筋や骨盤底筋が伸びきった状態となり、思う様に腹圧を維持する事が出来なくなっています。 図.2

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結果的に、安定性をなくした腰椎は、前弯増強姿勢(反り腰の状態)となり、腰痛の原因となる訳です。
更に、腰痛前弯増強姿勢は、骨盤を前方に傾けさせ、股関節、膝関節、足関節、足部に悪影響を及ぼします。
尿漏れなどの原因や、ポッコリお腹など見た目にも問題にもあらわれます。

では、どうすれば改善出来るのでしょう。
上記の筋肉群は、腹直筋(6つに割れた筋肉)など身体の外に表れる筋肉と違い、『ローカル筋』『インナーマッスル』などと呼ばれる、深層にある筋肉です。
力任せに腹筋運動を繰り返しても、なかなか強化されません。
この深層筋を強化する為に行われるのが、『ドローイン』ですね。
日頃トレーニングを指導していて感じますが、なんとなく形を真似ているだけで、正しく行えている人は少ないですね。
基本的には、腹式呼吸に合わせて下腹部を締める様なトレーニングですが、なかなか意識の難しいトレーニングです。
腹式呼吸の呼気(吐く)似合わせてお臍を骨盤の中に引っ込める様なイメージで力をいれます。
吸気(吸う)に合わせてゆっくりと緩める。この動作を繰り返し練習しましょう。
慣れてくれば、呼吸に合わせなくても、腹圧を持続的にコントロールする事が出来るようになります。
段階的に強度、難易度を上げてトレーニングする事が重要です。
不良姿勢、ポッコリお腹、尿漏れなど様々な問題を一度に改善する事が出来ます。
是非このトレーニングに取り組んでみましょう!

引用先 
1)発行 有限会社あほうせん パーソナルトレーンング 2013 26 より
2)発行 株式会社メディカルプレス 理学療法 2009 vol.26 No.10 より