コラム

プロフィール

吉田 圭

  • 株式会社シューピッド 代表取締役

靴とインソールを中心に取り扱うフットウェア部と義肢装具全般を取り扱う義肢装具部(所属義肢装具士5名)からなる。
足元に関しては、簡易的なインソールから靴型装具まで幅広い取り扱い。


サイズ感覚の習慣

皆さんは、自分の靴のサイズはどのようにして決めていますか?
ほとんどの方は「23.5cm下さい。」などとサイズ指定し、試し履きをした感覚で決めるという感じかと思います。

私も、正確な記憶は定かではありませんが恐らく高校生くらいから「28.0cm」を"自分のサイズ"と決めつけて認識していました。
靴のサイズについてそんなに深く考えていなかったし、教えてくれる人もいなかったので、180cmオーバーの身長の私が「28.0cm」を履いている事実を、自分を含め、親も、靴を販売する人も、疑うことなく過ごしていました。

社会人になりたてのある時期、若いにも関わらず激しい腰痛に悩まされた時期がありました。
病院に行き、診察を受け、湿布・牽引・コルセット・リハビリ...とひと通りの治療を受けましたが、なかなか思うように改善しませんでした。
そんなもやもやしていたタイミングに、ある医師から「そんな大きな靴を履いていたらきちんと歩けなくて腰痛にもなっても仕方がない。」と、アドバイスを受けました。
その時の私は正直なところ「足は痛くないのに、なぜ靴の話になるのだろうか。」と感じましたが、「少しでも改善するのであれば、試したことも考えたこともないような話だから試してみようかな...」そんな半信半疑な思いでサイズ計測に臨みました。
果たして初めて測った自分のサイズは...
履いていた靴は...

そのエピソードがきっかけで、その後足元の世界に入ることとなりました。

自分の足のサイズはいくつ?

自分の足のサイズはいくつなのか?
私の場合、きちんと足のサイズを測った機会は産まれた時以来記録がありませんでした。

初めて自分の足を測ってみると、高校生くらいから28.0cmの靴を履いている私の足は26.5cmという結果が出ました。
測って下さった人の説明では、実寸法に0.5cmを足したくらいが適正サイズとのこと。
私は27.0cmの靴に型採りをしたインソールを入れて履くことを薦められました。
すぐに思ったことは、
「そんな小さな靴が合うの?」
「きつくて痛くなるのでは...」など、半信半疑でしたが、実際に履いてみると足はきちんと収まり、軽く感じられて動きやすい。推進力が増す。姿勢よく歩ける感じなど新しい感覚が得られたのです。

サイズを測るということ。そんなにも当たり前のことをなぜ今までしていなかったのか?
身長や体重、胸囲、座高・、視力、聴力・・・学生の間に年に一度やってきた身体測定。
どうして足のサイズがなかったのであろうと素朴な疑問を覚えました。

私が靴を販売する仕事に就いて10数年、もちろん日々の業務内で足のサイズを測っています。
中では実寸法よりも3センチも大きなサイズの靴を履いている方に出会うこともあります。
お客様と話をしても、「自分の足の大きさを初めて測った。」ということも数多く経験します。

足は比喩的にも
"足を向けてはいけない"
"足でやらない"
というように、手とは対照的にあまり大切にされない表現や不浄なイメージがあるように思います。

そんな足を大切に扱う常識がなされる世の中にしていきたいという想いが詰まった足育研究会です。

足のサイズを測ることが当たり前の世の中に

足のサイズを測ることが当たり前の世の中に!
そんな希望を持って足育研究会で活動している私は2人の子供の父親。
自分自身が社会人になるまで適正サイズを知らなかったという社会環境を、子供たちの世代からは変えたい。
という気持ちを強く持っております。

子供たちが、歩けるようになってから、子供用の足の大きさを測る機械を自宅へ持ち帰って度々大きさを測っていますが、1歳くらいから適正サイズを用意し、0.5センチ刻みで常にベストなサイズを履かせ続けると、大き目を履かせると「大きい!」、小さくなると「小さい!」と子供ながらにもきちんと状況を理解できるようになることに喜びを感じました。

知らないことはとても恐いこと、知っていれば問題は起きなかったのに。という後悔は物事みんな同じでしょう。
なんとなく選んでいる靴のサイズが違い、その感覚がいつしか基本になり、適正なサイズなのに、きつく、または大きく感じて避けてしまうような靴選びの環境を足育研究会として変えていきたいと強く感じます。

無知な環境が基本になると、誤った常識を作り上げてしまって、正しい知識を得ていれば問題なかった人生に不利益を与えるように思います。
足育研究会のテーマである"赤ちゃんから100才までピンピン歩ける社会づくり"
可能な限りトラブルを起こさないよう未然に防ぎ、足の状況が悪くなってしまった場合はその時点から対策を立てて実行する!
そんな社会を作っていくことを目指している足育研究会です。

どうか健康診断で足のサイズを測ることが常識となりますように...